３２　相続

祖母は、建物を管理しており、賃借人に貸しています。賃借人からは毎月賃料が支払われています。ところが、登記上は、同建物の名義人が祖父になっています。これまでの相続関係も明瞭ではありません。これをクリアーな状態にするにはどうすれば良いでしょうか。

祖母の祖父に関する相続手続が未了のため、建物の所有名義人が祖父のままとなっています。
時間が経つにつれて、相続人が増えていき、相続手続がより複雑化する可能性があります。
これをクリアにするためには、建物の所有名義人に関する相続手続を進めるべきです。
まずは、建物の所有名義人の出生から死亡までの全ての戸籍を取得し、相続関係図を作成することで、全ての相続人を明らかとします。
そして、全相続人との間で、遺産分割協議をすべきです。
遺産分割協議では、本件建物の所有者を祖母とすべく進めることになります。
これに成功すれば、本件建物を所有している祖母が、本件建物を管理し賃借人に賃貸し、賃料を受け取っているという、とてもシンプルかつクリアな法律関係となります。

• 監修：善利法律事務所　善利 友一 弁護士